数年前より、Z世代と呼ばれる新たな世代が社会へ進出しており、Z世代の持つ価値観や行動特性が多くの企業から
注目を集めております。
一方で、採用・教育の担当部門や現場でZ世代と接する方々は、接し方やZ世代への理解に四苦八苦しています。
そんなZ世代と共に働く皆様に、講師視点・現場視点・Z世代視点と3つの視点からZ世代の生態を解明していきます!
本記事では、先輩社員から見たZ世代の特徴と、それに対するZ世代の声をお届けします!現場でZ世代と一緒に働く弊社の先輩社員3名とZ世代社員4名にインタビューを実施いたしました。
目次
石井 真志子
ラーニング営業部の石井です。研修サービスの提案・販売を行っており、新入社員研修や近年ではDX研修のご提案から実施までサポートさせていただいております。ラーニング営業部ではZ世代が4名所属しており、案件ごとに4名と関わりながら働いています。
秋山 祐三
デジタルサービス推進部 デジタルサービス課の秋山です。LMS(ラーニングマネジメントシステム)の開発や運用、改修やeラーニング教材の制作を行っています。デジタルサービス課にはZ世代が1名所属しており、日々システムの運用等で一緒に働いています。また、研修にかかわるシステムを扱っているため、ラーニング営業部の若手社員ともかかわる機会が多くあります。
※LMS(ラーニングマネジメントシステム)とは
研修の管理をするシステム。eラーニングの配信や集合研修の受講者管理等、人材育成をサポートするツールです。受講者がLMSへアクセスしeラーニング等を受講する機能や、受講者の学習の進捗状況や、成績の確認等を行う管理機能等から構成されております。
切石 明子
人材サービス1部 ICT支援2課の切石です。学校における先生方のICT活用をサポートするICT支援員の募集・採用や日々の業務管理、教育等を行っています。ICT支援2課には2名のZ世代が所属しており、採用活動やICT支援員さんのマネジメント等で一緒に働いています。また、ICT支援員さんの中にもZ世代に該当する方もいらっしゃいます。
・ラーニング営業部
Uさん Sくん
研修営業として、お客様の課題に合わせた研修の企画・提案から実施まで行っている。新規開拓にも挑戦中。
・ラーニングサポート部
Oさん
研修サービスに関わるマーケティングや広報活動を務める。Webサイトやセミナーの運営、コラム記事の制作等を担当。
・デジタルサービス推進部
Yくん
デジタルサービスの開発や運用を担当。最近は、システム改修に向けた仕様の検討に取り組んでいる。
石井:
目的や意義を重要視していると感じました。OJTトレーニングの一環で、営業同行を指示したところ、同行する目的を質問
されたことがあります。同行する目的・理由から、その中で自分がすべきことや、学ぶべきことを自分自身で考えているの
ではないかと思います。
私が新人だったころは、どこに行くのかも分からないまま、ついてくるように言われて、先輩の斜め後ろを歩いていたこと
が普通だったので、目的を聞かれた際には少し驚きました。
切石:
私は柔軟性が高い方が多いと感じています。仕事内容や進め方、ツールの使い方を説明してあげると、呑み込みが早く、
自分なりに効率的な進め方やツールの使い分けを判断して、業務をスムーズにこなしているように感じています。
秋山:
一方で、指示したことを素直にこなしてくれる方もいます。そういった方は、業務の進め方に関する質問や、進捗報告をこま
めに行ってくれるので、手戻りが少なく仕事も丁寧な傾向にあります。そのため、一度仕事を覚えればどんどん自分で仕事
をこなしていく印象があります。
▶ Z世代の声
Uさん:
指示に対して目的の提示を求めるという点は共感します。これは、「なぜ自分がその仕事をしなくてはいけないのか納得
しないと動けない」というわけではありません。その業務にかかわる以上、自身の成長のためにも、業務工程を工夫した
り、自分なりの意見を提案したりしたいので、その業務のゴール(目的)については、共通認識を持っていたいと考えて
います。
Yくん:
私も同感です。先輩からこんなことをやって欲しいと指示を受けることに反抗心はありませんが、自分なりにもっと良い
やり方を考えて、知見やスキルを深めたいので、目的は明確にしたいですね。
切石:
仕事を教える際はシンプルに物事を伝えるようにしています。私たちが仕事を教わっていたころは、詳細な説明を受けること
も多々ありました。しかしながら、Z世代は情報があふれた社会で育ってきたので、一般論はある程度理解しており、効率を
重視する傾向もあります。そのため、端的に業務の目的や進め方を伝えるよう意識しています。
石井:
私たちの同時期と比べると給与に対する興味が薄いようにも思います。私の世代が新人だったころは、残業をしてでもお金
稼ぎ、成績をあげようとする人も多くいました。しかしながら、近年の新入社員は社会貢献性も重視して仕事に取り組んで
いるように感じます。営業部ではお客様が抱える課題や実現したいことと懸命に向き合う姿が物語っているように思います。
秋山:
加えて協調性が我々の世代よりも高まっているように思います。私は今でも○○さんには負けないといったライバル心が時
折出てしまうことがありますが、近年の若手社員は先輩たちとも協力しながら、スキルを高めたり、数字を作ったりして
います。一人で努力して何かを創り上げるよりも、チームで協力し、より良いものを創り上げる力があると感じています。
▶ Z世代の声
Sくん:
協調性という点は思い当たるふしがあります。周りの同世代をライバル視して、しのぎを削りあうというよりは、お互い
の数字やメリットになることは協力しています。案件そのものは個人で取り組んでいたとしても、助けが必要な際は、同
僚に協力を求めますし、逆もしかりです。
1人でできることにはどうしても限りがあるので、チームで協力し、お客様や会社に貢献していきたいと考えています。
Oさん:
私は上司や先輩の世代とのギャップから学んだことがあります。私たちは大学時代にコロナを経験したので、チャットに
よるコミュニケーションが当たり前でしたが、先輩方は対面のコミュニケーションも大切にされています。直接会話する
ことで、その人の人柄を知ることができ、チャットよりもスムーズに会話が進むこともあると、教えていただきました。
以降、直接会話することを意識していますが、チャットメインでコミュニケーションをとっていた頃よりも、社内コミュ
ニケーションが活発になったと実感しています。
石井:
Z世代は褒められて育ってきたという背景もあり、普段から褒めることを意識して接してきました。しかし、ある日お客様
との打ち合わせ後に、当人たちから「今の打ち合わせで、自分のダメだったところを教えてほしい」、「もっと課題点を指
摘してほしい」と言われました。褒めて伸ばすことにとらわれて、良いところばかりに目を向けてきましたが、私たちが
思っている以上に彼らの成長意欲は高いと実感しました。
以降は、打ち合わせ後や面談の際に、現状の課題をしっかり伝えています。時には注意することもあります。
褒めるだけのフィードバックをしていた時よりも、満足そうにしています。(笑)
切石:
1年目の社員には2年目の先輩を教育係としてつけるようにしています。若手同士でペアを組むことで、困ったことがあった
際も相談しやすく、2年目の先輩にとっても学びや経験が得られるよう意識しています。もちろん、若手では対応しきれない
事案が発生することもありますので、2人のフォローアップ役として、ベテラン社員がつくようにしています。
▶ Z世代の声
Uさん:
昨今、様々なハラスメントが問題視されているので、私たちの上司や先輩方も意識されているのは伝わってきますが、客
観的にみた私の課題や改善点はしっかり指摘して欲しいと思っています。もちろん、理不尽な指摘や怒鳴るのは受け入れ
がたいですが、的確なフィードバックは、私たちもハラスメントだとは思いません。
また、欲を言えば、自身の業務を振り返る機会はもっと欲しいです。日々の業務で手一杯になっていることも多く、自分だ
けで、自身の課題や、今後どうしていきたいかを考えることは難しいです。そのため、第三者的な視点からも意見をもらえ
るような振り返りの場を設けてもらえると嬉しいです。
秋山:
仕事に直接関係あるないは問わないので、若手だけで新しいものを創り上げたり、何か企画したりしてみて欲しいですね。
若手の皆さんが集まって何かへ懸命に取り組んでいる姿が、組織をより活性化していくのではないかと期待しています。
私たちも皆さんの取り組みをバックアップするので、失敗を恐れず挑戦してもらえればと思います。
弊社のZ世代は、自己成長や社会貢献に対して強い興味関心を持っており、自身のスキルを高めお客様に還元していくことで、仕事へのやりがいや働く意義を見出していることが分かりました。また、周囲と協力して何かを成し遂げる意識や力を持っており、Z世代の持つ価値観と相まって、新たな価値創出に貢献できるのは無いかと考えられます。
もちろん、一人ひとり個性や価値観が異なるので、全員が今回のような特徴を持ち合わせているとは言い切れませんが、よりZ世代を知っていただく機会になれば幸いです。
次回は、新人研修に登壇する講師の視点からZ世代の特徴を掘り下げていきます!